本書では主として18世紀末から20世紀はじめにかけてのベルリンにおける科学および技術の発展の歴史を、筆者が現地を訪ね、歴史的遺物を見て、これらを写真に写して紹介する。写真を多用したのは、写真は一面文章より多くの情報を含んでいるからである。(中略)遺跡、遺物を現場に訪ねて歴史を学び、その時代の科学、技術史を理解しようとすることを科学史巡礼と表現したい。私たちは科学者、技術者たちについて書物により学ぶけれども、その科学者、技術者が誕生または、死亡した家、住んでいた家、研究に利用した建物、器具、装置、物質、記録、書物、掲げられている記念板、記念碑、記念像、日常使用していた物品など多くの遺物を収蔵した博物館、記念館などへの訪問の機会は少ない。科学者の墓石はその研究者の重要な記念碑であり、多くの情報がその墓石に凝縮されていることが多い(墓石の裏側に刻まれていることも忘れてはならない)。これらの科学者、技術者の記念板、モニュメント、像、印刷物、書物、使用した歴史的遺品、遺物などから科学、技術の発見の過程を敬意を以て訪ねることが科学史巡礼の旅である。本書が科学、技術史を新たな角度から理解することの助けになれば幸いであり、単なる観光ではなくなるだろう。(「第1章 科学史を巡る旅」より)



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